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2008年3月12日 (水)

蛭田敬子 社員を働かせてはいけない-女性が書いた「盛りだくさんのキャリア本」

以前の記事の中で読んでいると書いていた「社員を働かせてはいけない」です。

働いている人の気持ちを経営者に通訳しているような、いい本だと思いました。内容が多岐に渡っており、読んでいて、経営者向けか、雇用される側向けか、よくわからなくなるくらい。それだけ両方の気持ちを理解している人材業界の人でないと書けない本なのかもしれません。

「社員を大切にすることが大切」ということは、いまや組織人のバイブルとなろうとしている「はじめての課長の教科書」でも強調されていますが、それを実現するのはなかなか大変です。たとえ相手の気持ちになって考えても、会社と方向性や価値観が違うとなるとなかなかwin-winの関係が見つけにくくなります。Aクラス社員で自分がどの方向に進んでいくべきかわかっている社員に対してなら、「声をかける」といったコーチングのスキルだけですむでしょう。しかし、「Cクラス社員=もっとも注力するべき社員」と書かれていた社員たちには、何をしたらよいのでしょうか。その答えの1つがここに書かれています。

この本の中では、「不戦人間」という言葉が使われています。社会への不信・不安から、「楽しくないと頑張れない」と考え、「自分らしさ」を求め、「戦うくらいなら逃げる」という特徴を持っている若者のことをそう呼んでいます。蛭田さんは、「不戦人間」も一生懸命生きたいと思ってる、その結果として「不戦人間」となっているのだと言っています。

「不戦人間」に対しては、

会社は雇用者に対し、総合判断力やリーダーシップなど、結晶性知能を伸ばすことでで陳腐化しない(機械にとって代わられない)スキルをつけられることを教えることが必要だ。こうして「将来不安」を和らげる努力をする

ことだと書かれています。この「結晶性知能」という言葉、私自身は今回初めて耳にしたのですが、「歳をとらないと伸びない知能」のことだそうで、先の見えないこれからの世の中に対応するためには重要な概念だと思います。

このことを若者が聞きたい言葉で話す。これが重要とのこと。結果として、

「自分のために仕事を大切にして、どこでも働けるような人間になれ」

というのがかけるべき言葉と書かれて

こうして、「不安を断ち切り」、「キャリアパスを提示」し、「その実現のために働くことを自ら選ぶ」というステップになっています。今の日本の状況を的確に捉えて解決策を提示しています。

またこの本の中ではどんなキャリアパスを提示したらいいのかにも言及されており、それが働く人たちへのメッセージにもなっています。人材業界に身を置く著者ならではの内容です。

そして、私が注目したこの本の一番の見所は「女性の使い方」についてです。女性のマネジメントについてこれだけ正面きって書けるのは、著者が女性だからかもしれません。逆にいろいろなマネジメントの本を読んでいていつも少しずれている感を持つのは、女性に対する視点がないからだと思います。今まではそれでよかったかもしれません。でも、これからは優秀な女性にいかに働いてもらうかにかかっています。

同時に女性のキャリアの積み方についても厳しい実態を示し、真っ向から問いを投げかけています。女性のキャリアというと華々しい雑誌の記事も多いけれど、実際は

どれだけ多くの優秀な女性が「歳だから」という理由だけで、時間給800円とか900円程度で働いていることか。

が実態。

残念なことに、まだ多くの女性が、35歳以降も同じ職場で勤めない限り、転職のたびに収入が下がり続ける危険性があることに気づいていない。

ここまではっきり書けるのは女性ならでは。

ぜひ女性の皆さんに読んでいただきたい、そして、もっと女性の力を有効活用できる世の中にしていきたい。そのためにも経営者はもちろん「課長」の皆さんにもぜひ読んでいただきたい。そんなことを感じました

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